今回は、北海道独自の制度である『酪農実習生』について説明します。
新規就農をするしないに限らず、農業を経験したことが無い人が農業を仕事にしたいと志した場合、実際に体験する機会があれば嬉しいですよね?
北海道では酪農業の人材不足を解消する意味も込めて、道内いくつもの地域で酪農実習生という制度を取っています。
そこで、自らが新規就農を志して北海道の酪農実習生を1年間体験してきた僕が、北海道の酪農実習生制度について詳しく紹介します。
北海道の酪農実習生に興味がある人
20代や30代の内に色々な経験をしたい人
自然や動物が好きな人
こんにちは!りゅうたき(@takkyhokkaido)です。
僕は、北海道へ移住して2年間「酪農」という農業を経験してきました。
「酪農をやってみたいけどどこでやれば良いの?」という人は、ぜひ最後までお付き合いください。
Contents
北海道の酪農実習生制度とは

北海道内いくつもの地域で取り組まれている酪農実習生制度。
近年北海道では、酪農家の高齢化による後継者不在問題や地域別の出生率の低下、他県への引っ越しによる住民の減少が問題となっています。
これでは、農業の中丹を担っているJA(農業組合)が儲からなくなってしまいます。そこで制度化されたのが、酪農実習生という制度です。
だよね、北海道の酪農は様々な問題を抱えていて、国も補助金制度を導入したり試みてるんだけど、あまり結果には繋がっていないのが現状だね。
酪農家の後継者問題を解消する為、新しく就農を志す人材(新規就農者)を育てる
過疎化地域に若者を移住させ、町の発展と向上を図る
JAを存続させる為、農業に関心がある人材を増やす
酪農実習生制度の主な目的は以上のようになっています。
特に、JAは取り立てに厳しいことでも有名なので、自分達の利益を下げないように新しい人材の確保に注力しているのです。
酪農実習生は、JAが用意した施設を借り、実習生を受け入れてくれる農家さんの元で実習を行うことになります。
酪農実習生が生活する場所について

酪農実習生を受け入れる地域によっても違いますが、基本的にはJAが用意した施設(寮)に住んで実習を行います。
中には、農家さんに直接では無く、実習生専用の農場を用意している地域もあるので、自分の行いたい生活によって選択することが可能です。
僕の場合は、何組か入れる酪農実習生専用の建物に住み、1人暮らしを行っていました。
部屋の大きさは1LDKで、家賃は2万円。
電気・水道・ガスなどの光熱費は自己負担で、毎月の実習生手当から引かれるようになっています。
実際に、自分と一緒に移住した先輩は3人家族だったしね。
また、生活に関しては地域によっても差が激しいので、何を重要視するかを自分の中で決めてから酪農実習生を検討してみて下さい。
酪農実習生の資格・作業時間・休日について

僕が酪農実習生として入ったJAでは、以下のような条件で酪農実習生を募集していました。
仕事内容 | 朝夕の搾乳作業、牛舎掃除、給餌など |
---|---|
作業時間 | 朝4時~8時、夕方15時~19時。実働8時間。 |
勤務期間 | 4ヶ月~(最長で2年間) |
休日 | 基本週1日(月4回) 特別休:お盆2日間、年末年始31~3日の4日間 |
給与 | 月額18万円 |
資格 | 18歳~30歳くらいで要普通免許(AT限定可) |
酪農は、朝夕2回に分けて搾乳を行います。これは人間の母乳と同じで、赤ちゃんを産んだ牛は1日2・3回搾乳を行ってあげなければいけないからです。
会社員からしたら朝のスタート時間に驚いてしまうかもしれませんが、これも牛の体調や生活習慣に依存しているので基本的には変えることが出来ません。
僕は元々朝に強いタイプなので大丈夫でしたが、朝が弱い人にとっては結構大変な部分ですね。
ですが、1ヶ月もすれば朝方の習慣に慣れてくるはずなので、「1日を有効に使いたい!」という人にも酪農はおすすめです。
基本的に酪農業は、年間を通して休みがありません。ヘルパーと呼ばれる農家さんの代行で作業をしてくれる人に仕事を頼む以外は、年中無休です。
よって、酪農実習生と言えど”週1の休み”となっています。農家さんも実習生に給与としてお金を出していますし、会社員ではないので仕方の無いことですね。
都会のように遊ぶ場所も少ないですし、暇を持て余すよりは牛と戯れている方がきっと楽しくなりますよ!
給料に関しては次の章で詳しく紹介します。
酪農実習生の給料について

先ほど表に記載した通り、酪農実習生の基本給は18万円となっています。
この18万円から、家賃や光熱費が引かれて車での通勤費がプラスされた金額が毎月の給料となります。
新卒で働いている人からすれば正直少ないですが、高校・専門を卒業してから酪農実習生になっている人もいるので、妥当な金額ではないでしょうか。
また、家族連れで新規就農を志して酪農実習生を行う場合は、『夫婦で実習を行えば+5万円』などの制度もあります。
未経験でも教えてくれる体制が出来ているので、体験しながらも給料がもらえるのはありがたいですよね!
とは言え、家族を巻き込んで新規就農を目指すなら、ある程度の貯金をしてから挑むのが賢明です。
酪農実習生になる方法

北海道で酪農実習生を体験するには、引っ越しが伴います。
引っ越し料金もさることながら、実際に行ってから「こんなはずじゃ無かった…」とならない為にも、自身で徹底的にリサーチするのが重要です。
酪農は地域によっても牛の飼い方や飼料の作り方が全く異なるので、”色々なところで経験する”というのも1つの手段と言えますね!
酪農実習生は、随時北海道各地のJAで募集をかけています。気になる人は、「酪農実習生 北海道 募集」と検索してみて下さい。
まとめ:20代での酪農実習生体験は大きな経験に繋がる!

今回は、国内の生乳生産量が過半数以上を占める北海道独自の制度、酪農実習生制度について詳しく紹介しました。
酪農に興味がある人や、ずっと酪農体験をしたいと思っていた人にとって、有意義な情報となったでしょうか?
決して贅沢は出来ませんが、道内は特に遊ぶところも多くないので、無駄な出費を抑えられるという意味ではとても良いですね!
新規就農を本気で考えるなら、まずは徹底的に道内の地域をリサーチし、自分の目指す酪農が出来る場所を選択する事をおすすめします。
僕のように20代で酪農実習生を行うことは、人生でも貴重な経験に繋がります。
決してサラリーマンでは体験できないことなので、将来の視野を広げる為にも、「試したい!」という気持ちと余裕があるなら、20代や30代の若い内に挑戦してみて下さい。
未経験で稼ぎが無くても、体験でお金がもらえる仕事はなかなかありませんしね!
最後までお読みいただきありがとうございます。
酪農に興味がある人は、酪農実習生制度を有効に活用して、自分に合うのかを試してみましょう!
Twitterもやっているので、良かったらフォロー&絡みに来てください♪(@takkyhokkaido)