20代から新規就農を志す人、30代・40代で転職を考えてから新規就農を志す人、60代で定年を迎えてから新規就農を志す人。新規就農を志すタイミングは人それぞれ違いますよね?
しかし、新規就農は老若男女誰でも行えるものではありません。
と言うのも、新規就農には何千万・何億単位の初期投資が必要ですが、国や市町村からの補助金には年齢制限があるからです。
また、年齢制限の他にも、実際に就農する前に行う研修にも条件があり、高齢であればあるほど新規就農への道のりは厳しくなります。
そこで今回は、「新規就農をしたい!」と志す人に向け、基本的な新規就農の年齢制限や条件について詳しく紹介します。
自分の年齢で新規就農できるか知りたい人
研修の条件が知りたい人
最適な実習期間について知りたい人
こんにちは!りゅうたき(@takkyhokkaido)です。
僕は、北海道へ移住して2年間「酪農」という農業を経験し、新規就農を目指して研修も行っていました。
新規就農は補助金に年齢制限がありますが、基本的には誰でも行うことは可能です!
Contents
新規就農には地域によって年齢制限がある

新規就農には年齢制限があると伝えましたが、正確には”地域によって年齢制限がある”という意味です。
国からもらえる補助金は年齢制限が決まっていますが、市町村が定める新規就農者への年齢制限は各市町村によって異なるのです。
・18歳~45歳
・18歳~35歳
・20歳~40歳
などと、各市町村のJAが新規就農者の年齢制限を設けています。その理由には、体力的な面・学習に対する能力を考えて、などの理由があります。
更に、年齢制限が40歳までとなっていても、実際に就農する時に40歳以内の年齢でなければならない為、新規就農をしたい場合は、自分の年齢を逆算して研修を始めなければなりません。
また、農業の種類によっては60歳までを年齢制限としているものもある為、自分に合わせた農業選びが重要になります。
年齢制限の他にも、新規就農を行うにあたって1番の問題となるのがお金です。土地代や建物代など、先行投資に掛かる額は相当なものとなります。
なので、現在新規就農を志すなら、国の補助金を頼りにするのが一般的でしょう。
新規就農者が国からもらえる補助金には、大きく2つあります。
・農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)準備型
・農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)経営開始型
準備型は最大年間150万円を2年間もらえる補助金。経営開始型は年間150万円を5年間もらえる補助金です。(今回説明は省きます。)
どちらも就農時の年齢制限を50歳としている為、補助金を当てにするなら50歳を限度と考えた方が良いですね。
認定新規就農者になるには条件がある

新規就農は、年齢制限の他にもいくつかの条件があります。
まず基本的なことですが、新規就農者になる為には”認定新規就農者”になる必要があります。
認定新規就農者とは、『青年等就農計画書』と呼ばれる新規就農に向けた計画書を作成し、市町村を伝って県に認定されることでなることが出来るものです。
では、どのような人が認定新規就農者になれるのかというと、条件は以下の通り。
対象者 ・青年(原則18歳以上45歳未満)、知識・技能を有する者(65歳未満)、これらの者が役員の過半を占める法人 ・農業経営を開始してから一定期間(5年)以内のものを含み、認定農業者を除く
認定条件 市町村が以下の条件を満たすかを判断し認定 ① その計画が市町村の基本構想に照らして適切であること
② その計画が達成される見込みが確実であること等メリット ・ 青年等就農資金(無利子融資)
・ 農業次世代人材投資事業(経営開始型)
・ 担い手確保・経営強化支援事業
・ 強い農業・担い手づくり総合支援交付金(融資主体補助型)
・ 経営所得安定対策(ゲタ・ナラシ対策)
・ 認定新規就農者への農地集積の促進
・ 農業者年金保険料の国庫補助(青色申告者に限る)出典:農林水産省
表の通り、認定新規就農者となることで受けられるメリットは数多く存在します。
国からの補助金だけでなく、市町村からの交付金もある為、新規就農をするなら認定新規就農者となるのが絶対条件とも言えるでしょう。
認定を受ける為に必要な計画書の作成は個人で行うことも出来ますが、
生産する農産物の種類
年間所得計画
就農予定地の面積や農産物の予定生産量
農作業に必要な農業機械や施設に掛かる費用の合計
などなど、計画書には就農してからのビジョンを明確に記載する必要がある為、個人で作成するのは難しい面もあります。
なので、計画書の作成に不安を感じる人は、市町村のJAと綿密に相談を重ねて漏れのないしっかりとした計画書を作成することを推奨します。
新規就農希望者はいつから研修を始めるのが良いのか

新規就農の年齢制限や条件が分かったところで、次は「じゃあいつから研修を始めたら良いの?」という疑問が出てきますよね?
結論を言うと、”いつから研修を始めたら良いのかは自分次第!”です。
新規就農を希望したら、今働いている会社を辞めたり、移住の為に引っ越しをしたりと多くの事をこなさなければならなくなります。
だからこそ、様々な疑問が生まれるんですね。
3月に会社を辞めて4月から研修を始めた方が良いのか
繁忙期は避けた方が良いのか
北海道の場合は寒い冬の時期から始めない方が良いのか
など、いつから研修を始めるのが良いのか迷ってしまいますよね。
確かに、研修生を受け入れてくれる農家さんによっては、「繁忙期は避けてほしい」というところもありますが、基本的にはJAがいつでも研修生の募集を受け付けています。
しかし、必ずいつでも研修生の枠が空いているとも限らず、市町村によっては募集時期を決めている場所もあるので、まずは各市町村に問い合わせてみるのが先決です!
新規就農希望者の最適な実習期間とは

最後に、新規就農希望者の最適な実習期間についても説明しておきます。
「年齢制限をクリアし、補助金をもらう為の条件も突破した。いつから始めるかも分かったけど、じゃあ実習の期間はどうすれば良いの?」
と感じるのではないでしょうか?
確かにね。でも、全くの初心者が農業を始めるなら、なるべく長い期間研修を行った方が良いよ。
だって、いざという時のトラブルに対抗する力や細かい技術的な面って、簡単に得られるものじゃないからね!
ハッキリ言ってしまうと、”明確に最適な実習期間はこの程度!”と言いきれないのが現状です。
なぜなら、初心者や経験者の違いで実習期間に差が生じることもありますし、1番は「後は自分が独り立ちしてもこれで絶対に収益を上げられる!」と確信することが重要だからです。
と言っても、初心者が「もう大丈夫だ!」と思っても、JAや農家さんから見たら”まだまだ足らないな。”という事も多々あるので、自分だけで決めてしまうのも危険なのですが。
ではどうしたらよいのかというと、新規就農者の基本的な研修期間である2年間を目安に、JAや研修生を受け入れてくれている農家さんとの相談を重ねることが大切!
元々農業経験者であるなら1年の研修期間で終了することもありますし、人によっては5年間ほど研修期間を設ける人もいるので、最適な実習期間は個々の状態で変わるとも言えますね!

まとめ:新規就農を成功させる為にはリサーチを欠かさずに!

今回は、新規就農を希望する人に向けて、年齢制限の実態と研修の条件や実習期間について説明しました。
新規就農は簡単に行えるものでなく、家族を巻き込んだ人生の大きな決断となります。
多額の貯金をしてきた人ならまだしも、ほとんどが数百万を貯金することがせいぜいだと思うので、新規就農をするなら国からの補助金をもらえるように、条件をしっかりと確認しておきましょうね!
新規就農には年齢制限がありますが、年齢が若ければ若いほど知識や技術の吸収力に長け、体力的にも優位にあります。
個人的な趣味として農業を行うなら何歳からでも良いと思いますが、新規就農をするならなるべく若い年齢から志すことをおすすめします。
とは言え、僕のように20代で脱サラしたのに失敗するような課程は踏まないようにしてくださいね笑。
最後までお読みいただきありがとうございます。
Twitterもやっているので、良かったらフォロー&絡みに来てください♪(@takkyhokkaido)